院長コラム
女性の不眠症について
今年の夏は暑かったですね。気温が40度を超す日もあり、いよいよ亜熱帯化していくのでしょうか?北極圏のグリーンランドの氷がどんどん溶けだし、白くまの生息地が減って、将来は水族館でしか見られなくなるかもしれない、というニュースもありました。夏の疲れがドッとでるこの時期、大丈夫ですか?外来にも無理して熱中症気味、暴飲暴食でムカムカなど胃腸の調子が良くない、頭痛、不眠などの愁訴の方がいらっしゃいます。熱帯夜が続いたためか、確かに睡眠が不十分、と思われる方々が特に多いようです。睡眠が不十分では体調もなかなか回復しません。
今回は少し、不眠を中心に睡眠障害の話をしたいと思います。寝ても疲れが取れない、とおっしゃる患者さんによく話をうかがいますと、眠りが浅い、眠れない、寝てもすぐ眼がさめてまう、朝早くから眼が覚めそれから眠れない、といった四つの不眠の症状に分けられます。医学的にはそれぞれ熟眠障害、入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒といいます。多くの場合、それぞれが組み合わさっているようです。また不眠の期間でみますと、数晩だけの一過性不眠、3週間未満の短期不眠、3週間以上の長期不眠と分けられます。一過性のものには一時的なストレスや不安、痛み、それこそ熱帯夜など気候の変化や海外旅行による時差など環境の変化、などがあります。短期不眠もその延長と考えてよいと思います。しかし長期不眠となると、身体的や精神的になにか病気の潜んでいることがよくあります。そこをわかりやすく掘り下げてみましょう。長期不眠の原因は五つに分類できます。
1 身体的な原因
身体のトラブル、たとえば更年期障害で、ほてりやのぼせ、そして汗をかくため、眠りにくかったり、途中でめが覚めてしまう、などがあります。
2 生理的な原因
日常の生活リズムの変化、たとえば月経困難(生理痛)、月経前症候群(PMS)など、女性特有の体調の周期での不眠があります。しかしその頃は逆に眠い、眠い、と常に眠気を訴える方もいます。
3 心理的な原因
不眠が起こりだす頃になにか大きなストレスなどがなかったか、思い出してみましょう。
4 メンタル(精神的)な原因
うつの方の90%をはじめ、不安やゆううつ、無気力、パニックなど気分がさえない方は、やはり早めに医師に相談しましょう。
5 薬理学的な原因
薬の相互作用、副作用が不眠の原因を作ることがあります。長期に飲んでいる薬がある場合はやはり医師に相談してください。
以上が、不眠の原因や特徴です。睡眠とはそもそも脳が脳自身の機能を回復させるために作り出すものです。あかちゃんやお子さんほど必要で、年齢とともに減っていきます。成人は一日6時間とれば十分と,考えられています。21世紀を迎え、現代人を取り巻く環境はますます慌ただしさを増し、ストレス社会、24時間社会などと言われています。昔からの、朝起きて夜寝る、というライフスタイルは崩れ、昼夜逆転の生活も稀ではありません。生活習慣を整えるだけですぐ治ってしまう方もたくさんいます。心配な方は遠慮なく相談ください。
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