院長コラム

第13回

困ったときの緊急避妊、について

今年の冬は、とても寒く厳しくそして長く、日本海側の地方では記録的な大雪に苛まれるなど本当に大変でした。暑さ寒さも彼岸までと言いますが、まだまだ北風がやみません。ようやく梅が咲き、他の花々も蕾も膨らみ、生き物たちも冬眠から覚め、日々蠢きだしました。本コラムもしばらく冬眠状態でしたが、春の訪れに先立ち、再開いたします。

イメージ写真

ちゃんと避妊してたはずが、コンドームが破れたり、中で抜けてしまったり・・・避妊に失敗?妊娠したら?と突然不安になる、次の月経が来るまで心配が続く・・・そんな経験をされたことがある女性は少なからずいらっしゃいます。

今回のコラムは望まない妊娠や人工妊娠中絶を防ぐために、昨年、日本で初めて承認されました緊急避妊薬(モーニングアフターピル)の話をいたしましょう。実は世界のほとんどの国でこの薬は以前より承認されているもので、決して新薬ではありません。日本の承認が遅すぎたくらいです。この薬は商品名「ノルレボ錠」といいます。

用法は性交渉後、72時間以内に、一回2錠を飲むだけで、およそ80%の確率で妊娠を阻止できるとされています(国内国外の多数の臨床試験で報告されています)。ただし決して100%ではありませんことご承知ください。

ノルレボが認可されるまでは、昔からある中用量ピルを適応外使用法(未承認)、という名のもとに性交後72時間以内に2錠、その12時間後にまた2錠飲む、という方法(ヤツペ法といいます)でした。このピルは吐き気や頭痛など副作用が起きる頻度が高く、2回目を12時間後に飲むのをつらかったり、忘れたり、と結構大変でした。

一方、副作用も少なく、妊娠率も低く、国内で正式に承認を受けた薬ということで、ノルレボは女性達の間で、少しずつ認知されつつあります。ノルレボを処方する際には、十分な問診と薬剤の服用法と効果、副作用等を説明し同意書にサインを頂いてお渡しすることになります。皆さんが一番心配するのは、これで避妊できるのだろうか、ということです。先ほども書きましたように確率的に100%避妊を期待するのは無理ですから、当院では念のために翌朝から基礎体温を付けるよう指導しています。一定期間高温期が続いたあと、出血が始まり、体温が下がれば、大丈夫、としています。判断できない場合は市販の妊娠診断薬で妊娠の有無を確認するか、外来に来ていただくようにしています。

予期せぬ避妊に失敗したとき、慌てずに、ノルレボを72時間以内(出来るあけ早くがより好ましい)に服用することで、かなりの確率で望まない妊娠や人工妊娠中絶を回避できることを思い出して、産婦人科医に相談しましょう。ただしこうした綱渡り的緊急避妊よりもより確実な日頃からの避妊法がより重要ですので、そちらの話もちゃんと伺いましょう。

お知らせ

  • 練馬区子宮がん検診、大腸がん検診実施中です。 花粉症の診療行っています。
病院外観

赤松レディスクリニック

  • 氷川台駅より徒歩 約5
  • 桜台駅より徒歩 約13

※駐車場有(3台)

※屋根付駐輪場有(バイク・ベビーカー可)

〒176-0002
東京都練馬区桜台 3-41-14
TEL.03-3991-8854